絞り成形した縦型名刺入れ
「絞り」
とは、革の可塑性、弾性を生かし
水分に浸した革を
型を元に成形~乾燥を経て
一定の形を保たせる技法です。
型は、何枚もの革を積み重ね
貼り合わせ、角を落とし
緩やかなカーブになるまで磨き上げた
オリジナルの型を使用しています。
絞り成形した革は、一定期間の乾燥後
引き伸ばした部分の繊維の奥まで
硬化剤を浸透させ、さらに乾燥を重ね
成形した形を保つ加工を施しております。
時間をかけて成形した革素材は
ツヤを纏うように丸みを帯び
平面とは違った色の濃淡
硬さと柔らかさが同時に存在する
革素材ならではの上質な質感が味わえます。
厚み2mmへのこだわり
革素材は、表面と裏面の構造に違いがあります。
薄い滑らかな膜の銀面(表面)
複雑に絡み合った繊維で出来ている床面(裏面)
さらに、革の繊維の方向性は放射線状に広がり
繊維密度の高い部位は中心部周辺のみとなり
中心から離れるほど、繊維密度は低くなります。
この繊維密度や繊維の方向性は
製品を使用した後に、大きな影響が出てきます。
大きな影響とは、革の中心部から離れた部位を使う場合
革の伸びやシワなど
使ってからでないとわからない影響が現れます。
このような素材の特徴を理解し
伸びる部位には、双方向の繊維の流れを持つ部位同士を貼り合わせることにより
伸びないパーツを作り出したり
繊維密度の低い部位は、床面を薄く漉くことで
ご使用後に影響の出ない製品作りを行っております。
今回使用した、イタリアの銘革「ミネルバリスシオ 」
元々の、なめしたままの厚みは「約2mm」となります。
2mm厚の素材を使うということは
見た目はわかりませんが
素材の影響がそのまま出てしまうため
嘘がつけない繊細な部分なのです。
2mm厚のままで使える部位は
「革の中心部位のみ」
リュテスの縦型名刺れは
1枚革の中でも、わずかしか取れない
貴重な部位のみで製作しています。
愛知県/N様
原厚2mmの素材は
なめしたままの素材そのものの魅力が
十二分に味わえるため
是非、革好き 玄人の方におすすめしたいと思います。
*ご購入に関しては、現在商品ページの作成が出来ておりません。(申し訳ございません)
詳しくは、お問い合わせくださいませ。
仕立てられた作品をいただくとき、革から伝わるイメージを言葉にしたくて、でもできなくて、傷一つ、皺ひとつない、など言ってみても、とても陳腐に感じられて、どうにももどかしく感じていました。
つくり手側の拘りを表現していただいて、改めて革製品への思いが深まりました。
ありがとうございます。